
確定申告をする必要がなければ、記帳もする必要はないと考えてよいですか?
出演: … M社 経理部部長
… 顧問税理士
― M社 ―
M社経理部古門部長と顧問税理士が、打ち合わせをしています。
もう今年も終わりですね。
そうですね。
今年もコロナに振り回された1年でしたね。
そうですね。
親父の確定申告どうしよっかなぁ…。
え?
突然どうされたのですか?
いえね。
親父の自宅敷地の一部を駐車場にしてて、近所のアパートに住んでいる人たちに貸しているんですよ。
数も少なくて大した金額じゃないんですが、これまで親父が確定申告をしてまして。
でも、貸していた人達が引っ越しやら何やらでいなくなったから、確定申告はしなくていいな、って言うんです。
え?
いなくなった?
親父から話を聞く限り、コロナ禍で職を失って実家に帰った人とか、外出自粛が続いて車の運転をしなくなり運転免許証を自主返納した高齢の人とか、色々と重なったらしいです。
気づいたら空きが目立つようになったらしいのですが、親父も大っぴらに募集しないもんだから、今はほとんど貸していないらしく、固定資産税を差し引いたらトントンじゃないかな、ってところらしいです。
だから今年の分を確定申告する必要はない、って言うんですけどね。
年金受給者だから、まあ、収支トントンなら確かに確定申告しなくても、とは思いますが、医療費もありますし、どうかなぁ、と。
なるほど。
それは、試算してみないと何とも…ですね。
ですよねぇ。
ところで、先生。
はい。
もし確定申告をしないとなると、今年の分は記帳しなくてもいいんですかね?
これまでは確定申告をしていましたから、当然に記帳をしていましたが。
不動産賃貸をしているのなら、確定申告をしようとしまいと、記帳を行い、帳簿書類等の保存をしなければなりませんね。
白色申告であっても、ですか?
そうですね。
記帳のレベルや作成する帳簿の種類、帳簿書類等の保存期間などは、青色申告か白色申告かで異なりますが、いずれにしろ記帳を行い、帳簿書類等の保存する行為自体は必要です。
これは、不動産賃貸、いわゆる不動産所得だけでなく、事業所得や山林所得を生ずべき業務を行っている場合には、必ず求められます。
そうかぁ。
じゃあ、年末年始に一度実家に帰省しないといけないなぁ。
そうですね。
一度帰省されて、状況を確認された方がよいでしょうね。
ですよね。
そうします。
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